雑文の置き場

ただただ、雑文をおいていく場所

伊藤計劃の本を二冊とも読了

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上の二冊を読み終えた。

個人的には、ハーモニーの世界観が面白いと思った。

21世紀初頭に発生した全世界規模の騒乱《大災禍(ザ・メイルストロム)》を経て高度な医療経済社会が築かれた21世紀後期。人々は従来の政府に代わる統治機構《生府》の下、健康と人間関係の親密さを至上の価値とする社会に生活していた。だかその健全で幸福な筈の社会を揺るがす重大な事件が起きる。 

 というのがハーモニーのあらすじ。(wikiより引用)

内容的には虐殺器官の後の話なのですが

健康と人間関係の親密さ。

しいていえば、健康のためにたばこ・酒・カフェイン

これらが徹底排除されて、徹底的に健康を管理されていく世界。

読んでいると息苦しさを感じてしまうような

そんな感じもするんだけどもこの作品では

人々は、体に医療的監視システムWatchMeをインストールし、恒常性を保っている。
生府の配布するコードは、個人用医療薬精製システム(メディケア)にダウンロードされ、それは、病原体を滅する医療分子(メディルモ)を合成する。
その為、人々は、病気(遺伝的で避けられないものを除く)を未然に防がれ、頭痛や風邪も経験することはない。
優しさと相互理解に包まれ、醜悪なものは取り除かれた世界。「あなたは、社会の一員として欠かせない人間なのです。」という「人的リソース意識」。公共物としての大事な命。 

 このような考えなので息苦しさを感じないようにされている。

おそらくは感じることが悪と教えられているのかもしれない。

この世界に住むことでの幸福ってなんだろうか?

そういうのを考えながら読むとよく世界観が作られているなぁと思う

そんな作品だと思った。

 

一方の虐殺器官

サラエボが核爆発によってクレーターとなった世界。後進国で内戦と民族衝突、虐殺の嵐が吹き荒れる中、先進諸国は厳格な管理体制を構築しテロの脅威に対抗していた。アメリカ情報軍のクラヴィス・シェパード大尉は、それらの虐殺に潜む米国人ジョン・ポールの影に気付く。なぜジョン・ポールの行く先々で大量殺戮が起きるのか、人々を狂わす虐殺の器官とは何なのか? 

 あらすじを読むとハーモニーの逆の野生にあふれて暴力と欲望に支配されている。

ただ、テロへの脅威として管理体制を作ることで無差別的なテロからは守られている。

 

どっちの世界も済むのが嫌かなと思うけども

食べたいものを自由に食べれる世界

それは虐殺器官の世界ならば虐殺器官の世界の方が住み心地はいいのかもしれない。